牛汁×八重山そばの最強コラボレーション
石垣島のソウルフード『牛そば』とは、牛肉や牛モツを野菜と長時間煮込んだ「牛汁」に小麦粉で作る細いストレート麺の「八重山そば」2つの郷土料理を合わせた島人(シマンチュ)がこよなく愛する一品です。
石垣島の食堂では、定番の人気メニューとしてランチタイムには多くの島人のお腹を満たし、観光客の方々にも石垣島グルメの1つとして浸透してきました。
『牛そば』の知名度が上がってきましたが、まだ、「牛そばって何?」から始まり、「牛汁って初めて聞いたけどどんな料理?」や「八重山そばって沖縄そばと違うの?」と知らないことも多くあると思います。
『牛そば』の魅力・美味しさをもっと多くの方々に知っていただきたいとの思いを込めまず今回は、『牛そば』についての歴史を発信します。
今後、ブログにて石垣島の牛そばのお店の情報や他にも石垣島のグルメ情報をブログやインスタグラムなどのSNSを通してお伝えします。
感謝とお祝いの気持ちを込めた『牛汁』
戦前、沖縄本島地域では、日常的に豚肉料理が食卓に並び「豚の鳴き声以外は、すべて食べる」という言葉があるほど、豚の頭から足先、内臓・血まで料理し家庭の食卓に並んでいました。
一方で、牛は主に農耕用としての役割を担っており、食用としての流通が少なく人々が口にする機会はめったにありませんでした。
しかし、石垣島を中心とした八重山地域では、農耕用としての役割を終え、老いて引退した牛に対し、魂まで感謝するとの意味を込め牛を解体し野菜類と煮込み『牛汁』として食べる文化がありました。
お正月には『年越しそば』ならぬ『年越し牛汁』として新たな年の訪れを祝う習慣もあるほどで、八重山地域では、沖縄本島地域に比べ古くから牛食文化が深く根付いていました。
現在でも『牛汁』は、祝い事の一品として、家の棟上げ・新築祝いや地域のお祭り・イベントの際にふるまわれています。
また、食堂のランチメニューとしてお手頃価格でメニューに並んでいます。
細麺とほんのり甘いスープで食が進む島民食の『八重山そば』
島民食ともいえるほどに島人が愛する『八重山そば』。
小麦粉を使用した中国の『支那そば』が、明治後期から大正時代にかけて、沖縄本島地域に伝わり改良を加え確立された『沖縄そば』がルーツです。
『沖縄そば』が、石垣島を中心とした八重山地域へ伝わる中でアレンジが加えられ『八重山そば』の形が出来上がりました。
沖縄そばと八重山そばの大きな違いは、麺の形です。
沖縄そばの麺は平たい縮れ麺で、きし麺に近い形をしています。それに対し八重山そばの麺は、細く丸みがあり縮れのないストレート麺です。
また、スープのダシは、カツオと豚骨を使用しているものの沖縄そばは、濃い目のスープになっているのに対し、八重山そばは、薄めでほんのり甘みのあるスープとなっています。
あっさりとした味の八重山そばに香辛料「ピパーツ」(ヒハツモドキの未熟な実を乾燥し炒って粉にしたもの)を合わせると辛味がプラスされ食欲を刺激します。
島の食堂には必ず並ぶ『八重山そば』は、島人だけでなく観光客の方々にも人気がある石垣島を代表する一品です。
お店の個性がたっぷり詰まった『牛そば』
長時間煮込み柔らかくなった牛肉・野菜の入った「牛汁」とスープの味が絡みやすい「八重山そば」を合わせた『牛そば』。
器から溢れんばかりにボリューム満点かつリーズナブルな価格なので、島の食堂では、ランチタイムの人気メニューです。
数多くの食堂で『牛そば』を提供していますが、それぞれの食堂で個性の出る一品を作りだしています。
牛肉の部位や仕込み方、トッピングされている具材・スープの味わいなど。。。同じ味の牛そばはありません。
多くの食堂で牛そばを味わっていただきお好みの味を見つけてみてはいかがでしょうか。